by松井春薫(高校生編集部)
interview#001 大久保匠馬さん
name:大久保匠馬さん 東京都在住
勘違いから生まれた出会いが未来の自分に繋がる
Q.大久保さんはどこで歌舞伎に出会ったんですか
歌舞伎とは大学のサークルで出会いました。
慶應義塾大学経済学部に入学して
そこで、今の仕事に繋がる歌舞伎に出会いました。ただ、その出会いも勘違いが生んだものでして・・・(笑)
歌舞伎サークルに誘われて、歌舞伎を鑑賞するサークルだし、入ってみよう!と思ってはいったら歌舞伎を自らするサークルだったんです。でも、それが結果よかったんですよね。そのサークルは本物の歌舞伎役者の方が指導してくださる場だったので、歌舞伎をすることの楽しさをそこで知りました。
Q.高校時代はどんなことをしていたんですか
僕は高校は慶應義塾大学志木高等学校というところに入学しました。
高校生活では、ラジオ局でアルバイトを行っていて、1時間自分の枠をもってそれこそ、高校生が主体となった番組を作っていて1年間ほどしていました。ただ、その当時は特に将来の夢はなかったですね。
そうなんですね!
だから、僕も松井さんみたいな活動をしている面白い高校生を集めて伝えることをその当時していたんですよね。
Q.歌舞伎の裏側の仕事ってどんな仕事内容ですか
A.今は、歌舞伎の舞台のチケットや切符を販売する部署にいます。オンラインでチケットを購入してくださるような販売方法もあるが、基本的にお客さんに直接会って渡すか、郵送で渡すので紙の切符を渡すことが多いので、そういった仕事をしています。
ちなみにこれまでは、巡業(各地で公演)をする部署にいました。そこでは、東京都だけではなく、北海道から九州まで全国を回って公演をします。今はコロナで難しくなっているが、例年であれば夏に講演会を色んなところで行っていました。それこそ、名古屋や豊橋なんかもいったことがあります。
それから、宣伝部署にいたこともあって、公演のポスターやネット告知などもしていて、記者会見のセッティングとか。ほんと色んなことをしています。
歌舞伎への想いは学生時代も今もこれからも変わらない
Q.就職活動の際、様々な進路選択があったと思うのですが、なぜ歌舞伎を選んだんですか
A. 僕は大学卒業時に歌舞伎の道に進むか普通の会社に就職するかでとても悩みました。ただ、歌舞伎役者の道は厳しいことをサークルで学んだので一旦断念してセキュリティ会社に入社しました。
ただ、就職しても歌舞伎が頭から離れずにセキュリティ会社を退社しました。そして今働いている歌舞伎の舞台裏を支える会社に契約社員として最初は働き始めました。
Q.大学生時代、周りが就職していく中で不安はなかったのか
A.ありましたね。僕は経済学部だったので、みんな銀行員や商社に入る人が多かった。でも、自分がそういった会社に入る姿が想像できなかった。ただ、新卒は大事にしておきたかったというのが就職した時の後悔として残りましたね。
Q.大久保さんにとって歌舞伎とは?
人に感動や影響を与えるもの。この瞬間に立ち会えてよかったと思わせる。僕自身にとっての心のよりどころ
進む道は変わってもいい。必ずしも貫き通すものではない
Q.最後に高校生に一言もらってもいいですか
夢は途中で変わってもいい。今ある夢ももちろん大事にして欲しいが、人生の最後までこれを突き通せというわけではない。方向性が変わってもいい。
僕自身、後悔しないことを大事にしているが、全く今までの人生に後悔していないというわけではない。でも、後悔を減らすことはできる。BESTじゃなくてBETTER
大学生入学して23歳で就職しなくても、高卒で就職したっていいし、その人の自由だと思う。自分のやりたいことを突き詰めていけばいい。