笑顔の『わ』を広げるヴァイオリニスト

#5 辻本恵梨香さん

byりこ みさき ひとみまん ももね

  • Profile

辻本恵理香(つじもとえりか)さん

4歳からヴァイオリンを、7歳からはピアノに触れており、

ドイツやフランス、オーストラリアなどの数々の国で演奏をされてきたそうです。

帰国後、音楽で笑顔の輪を広げていきたいとのコンセプトで活動する異色のコラボユニット『Music Circus』を結成し、
その活動のため現在インド在住。
夢の第一歩である、インドの子供たちはじめ、世界中の子供たちを笑顔にしたいという想いで2022年11月19日『森の燈』大阪公演決定。

2002年には大阪音楽大学に入学し、2006年にはロンドンへ留学をされていらっしゃり、日本と様々な世界をまたにかけて活動されていらっしゃる辻本さん!

今回の取材では、辻本さんの過去・現在・未来について高校生編集部が深堀りすることで国際的に活動する音楽活動家という職業をノゾキミました!

 過 去 編 

Q1 

なる:
海外で活動をされていて一番印象に残ったことは何ですか?

辻本さん:話せば長くなるんだけど…

実は10歳で初めて海外に行ってコンサートをした場所がインドなんです。

当時のインドって、今よりももっと情勢が悪くって。 空港に降り立った瞬間に空港の周りにいる子供たちがうわあぁっと寄ってきて「お金ちょうだいっ!」って言われている時代

そして、初コンサートはストリートチルドレンのためのコンサートでした。

だから、そんな状態からコンサートは始まるまではどんな風になるのかドキドキドキドキして不安だったんです。

でも、コンサートが終わった後は誰一人「お金ちょうだい」と言わなくなっていてみんなキラッキラの笑顔になって楽しんでくれていたのが本当に印象に残っていて音楽の力に感動して今の活動につながっているんです。

なる:そうなんですね… どうしてもお金がないと心にゆとりがない状況にも陥りやすいし、日本みたいに豊かな人ばかりではないですけど、それでもコンサートが終わった後に心が満たされてキラキラの笑顔を向けられると想像しただけでも感動しますね。

Q2

なる:話は重なりますが、インドでのクラッシックの反応はどんな風に感じられましたか?

辻本さん:クラッシックに限らずここ10年ほどで音楽はインドに浸透してきています。音楽をする人も増えてきてる!!! やっと娯楽を楽しむ人が増えてきてることを実感しているところです。

Q3

ひとみまん:海外で演奏するときにスランプや日本との違いでつらかったことなどはありますか?

辻本さん:そうだな… 初めて長期で留学したのがイギリスにいったときなんだけど、その時に日本人とのギャップを感じたことがあって、それが自分の意志の伝え方。

これは日本人の美徳でもあるんだけど、ヨーロッパで遠慮をして、みんなの意見を聞いたりしていると、授業中に一言も発さずに終わることがありました。(笑)

私は最初のころよく“YES”or“NO”で聞かれました。 クラスには様々な国の人がいたんだけど何も言葉を発さないのは日本人だけだったかな。

ひとみまん:実は私も最近国際交流イベントに参加してそれを痛感したばっかりです!

辻本さん:そうなんだよね。なかなか自分の意見って伝えるのって難しい。でも、話さないともっと伝わらない。だから、どんどん自分の意見行ったほうがいいと思う!

Q4

ひとみまん:海外で演奏しているときの1日のスケジュールを覚えている限り教えてほしいです。

辻本さん:イギリス留学中はずっとヴァイオリンを弾いていました。とくにコンサート前では食事以外はずっとヴァイオリンを練習していたかな。

ひとみまん:夜遅くまでやってたんですか?

辻本さん:イギリスの場合は数人で一緒に住んでいたので21:00までしか演奏しちゃダメっていう決まりがありました。なので、それまでは永遠にヴァイオリンを弾いていましたね。

Q5

ひとみまん:辻本さんは音楽をやるうえで決まったルーティンなどはありますか?

辻本さん:必ず朝起きてすぐにヴァイオリンを練習することと夜寝る前に練習するのは決まってるかな。

ひとみまん:ありがとうございます。本当に努力と練習の賜物って感じですね。

辻本さん:ヴァイオリンってアスリートと似ているところがあると思っていて、1日弾かないだけで感覚が無くなっちゃったりすることがあるんです。だから学生時代は恐怖心を感じつつ練習していたかな。

現 在 編

Q6

みさき:今はコロナ禍ですが、どういう活動をしていますか?

辻本さん:今は本当に難しいご時世で、受け入れ態勢はできてきはじめてるのかなとは思っています。だけど、私が一番怖いと思っていることは生活に色が無くなること。

特に小さい子供たちは1年1年が大切な時なのに楽しめることが無くなるっていうのはどうかなと思っている。

だから今回のコンサートも対策を取りつつみんなに音を届けられるようにしようと思っています。

Q7

みさき:音楽の道に進みたいと思っている人たちへ音楽の魅力を教えてください。

辻本さん:人を笑顔にすることができることだと思う。

音楽って言語が違っても通じ合うことができるっていうのが本当に魅力だと感じてる。例えば私が演奏をすることで目の前の人が笑顔になってくれると、その人の大切な人も笑顔にすることができてそれが連鎖していくのを見ると幸せになるし音楽にはパワーがあると思っています。

未 来 編

Q8

りこ:この先、行って演奏をしてみたい国ってありますか?

辻本さん:そうですね~結構行ってるんですよね(笑)

りこ:もう一度行って演奏してみたい国とかはありますか?

辻本さん:アフリカ…かな。過去に行ったときはアフリカの子供たちの様子を見ることが目的だったんだけど、私の印象ではアフリカの子供たちはインドの子供たちより音楽を受け入れる土台がない。

すごく貧しい地域があって、そこで音楽を聴いてもらうイベントを開催したことがあって。

アフリカの子供たちは楽しそうに踊ってくれたんだけど、最後に渡した飴に勝てないんです。生きるか死ぬかが身近にある子供たちだったので音楽の無力さを感じました。

りこ:そうなんですね…アフリカではどんな曲を演奏されたんですか?

辻本さん:日本の有名な曲数曲とアフリカの国歌を演奏して歌ってもらいました。

Q9

ももね:インドでの演奏などを通していろいろなことを経験されてきたと思うのですが、これからの最終目標、ゴールはどんなものですか?

辻本さん:これは10歳から変わらないもので、世界中の子供たちを笑顔にしたいっていう目標があります。変わらない。 子供が笑顔になれば大人も笑顔になれるからね!

あと私が演奏しに行ったら必ず「あなたが人生で手に入れたいものは何ですか?」っていう質問をしていて。先進国だといろいろな答えがたくさん返ってくるのに対して貧しいといわれている国だと返ってくる答えはおもしろいことに一つだけで…「え?何もないよ?」って言われる。

貧しい子供達は本当の幸せをわかっているということ。
日本は物は溢れているけど、心が貧しい子が多いなって思っていて・・・。
お互いに良いところがあるので、将来はインドと日本の子供を繋げて、お互いが学びになるような交流の場を作りたい。

Q.進路選択を控えている高校生へ一言お願いします!

辻本さん:これからたくさんの選択する局面に出会うと思うんだけどもしも選択肢が二つあった場合、大変そう、面倒くさそうだなと思わずに自分が直にワクワクするほうへ歩いてほしいなと思います!そうすればおのずと将来したいことのつながっていくと思います。

自分の心に従っていろんなチャレンジを是非してみてください!

 編 集 後 記 :り こ 

私は以前「音楽は世界の共通語」という言葉を耳にしたことがありましたが、辻本さんへ取材をさせていただいたことでそれをリアルに感じることができました。努力を続けることや人を幸せにすることは難しいことですが辻本さんはそれ続けているので憧れました。いつか演奏を聴きに行きたいです。

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